透析間の体重が増えすぎて、辛い透析になっていませんか?
時間除水が多いと、血圧が下がり過ぎたり、足がつったり、
心臓に負担がかかったりと、いろいろなリスクが伴います。
透析間の体重が増えすぎる原因チェックリスト
□飲みものを飲み過ぎ
□氷の食べ過ぎ
□塩分の摂り過ぎ
□外食が多い
□水分が多く含まれる食品や、水分量が多い調理法の食事を摂っている
□全体的に食べる量が多い
□自宅で全く体重をはからない
いかがですか?
上記のチェックリストに、思い当たるものはありますか?
それでは、一つ一つの項目ごとに
まとめてみましょう。
目次
①飲み物の量が多い
自分ではそんなに飲んでるつもりがないけど、
気付かないうちに飲み過ぎているということもあります。
飲み物を飲み過ぎない工夫
・最初から1日に飲む量を計っておく
・熱いお茶を少しづつ飲む
・容量の少ないグラスやカップを使う
・歯磨きやうがいで口の中を湿らせる
・炭酸水+レモン果汁(口の中がさっぱりする)
・ガムを噛んだり、ミンティア(タブレット)を口に含む
その他、口腔内スプレーというものもあります。
②氷の食べ過ぎ
氷を食べ過ぎていませんか?
氷は飲んでいる感覚がないので、ついつい食べ過ぎてしまいます。
氷1個は20g~30gあります。
1日を通して、20個食べたら200㎖~300㎖の水分を摂ることになります。
不思議なことに、氷は1個食べたらまた次が欲しくなるんですよね。
1日に食べていい氷を冷凍庫や水筒などに取り置きするのもひとつの方法です。
③塩分の摂り過ぎ
あれ?何でこんなに喉が渇くんだろう?
と感じることはありませんか?
それは、塩辛いものを食べてしまったとき、
身体に取り込んだ塩分が水分を呼んでしまうからです。
透析患者の塩分摂取量は
一日6g 未満となってはいますが、
1日6gで食事を済ませるのは厳しいような気がします。
でも、なるべく薄味を心がけましょう。
なぜ塩分を摂り過ぎると喉が渇くの?
人間の体液は塩分濃度が決まっているので、
それを越える塩分を摂取するとその濃度を薄めようとする身体の調整作用が働き、
水分を摂ろうとします。
細胞が浸っている体液の塩分濃度は常に0.9%に保たれていて、
「高過ぎも、低過ぎもダメで、0.9%でなければ細胞は生きられない」
ということになっています。
だから、塩辛いものを食べてしまうと、
塩分濃度が0.9%になるまで、水を飲まなければ、
喉の渇きは収まりません。
塩分を摂り過ぎて喉が渇くのは、
いくら、理性で我慢しようとしても無理なのです。
1gの塩分を摂ると、100㎖の水を欲する
人間の体液は、塩分濃度0.9%に保たれています。
0.9%の塩分とは、水1ℓに対して9gの食塩を溶かしたものです。
この0.9%の塩分濃度を保つため、
人間は、約1gの食塩を食べたら約100㎖の水分が必要となります。
2gの塩分を摂ったら、200㎖の水分が必要
5gの塩分を摂ったら、500㎖の水分が必要
10gの塩分を摂ったら、1ℓの水分が必要になります。
食塩を多く摂りすぎて、喉が渇くのは人間の生理的な反応です。
人間は体に貯まった塩分を薄めようとして飲む水の量が増えます。
塩分が呼び込む水の量
では、実際に何を食べたら、
どれくらいの水を飲むことになるのでしょうか?
梅干1個(塩分2g)食べると?
200㎖の水を飲むまで喉の渇きを止められない
カップ焼きそば(塩分6g)食べると?
600㎖の水を飲むまで喉の渇きを止められない
④外食や中食(お惣菜や弁当)が多い
外食には、塩分が多く含まれているので、
当然喉が渇きます。
喉が渇くと、水分を多く摂り、
透析間の体重増加につながります。
たまの外食はいいですが、
毎日続いてしまうと、塩分の摂り過ぎになって、
毎回の透析度に、体重が増えてしまいます。
外食に限らず、スーパーやコンビニのお惣菜も、
塩分高めです。
喉が渇いて辛いならば、
塩分控えめな料理を自分で作って食べる方が、安心ですね。
外食の食塩量
⑤水分量の多い食品や、水分量の多い調理法の食事を摂っている
水分を多く含む食べ物
・果物
・カレー・シチュー
・鍋物
・麺類
・味噌汁・スープ
・アイス・プリン
・あんかけ・煮物
・おかゆ・お茶漬け
水分量が多い調理法
煮る、焼く、蒸す、揚げるなどいろいろな調理法がありますが、
調理法によっても水分量はずいぶん違ってきます。
蒸し料理や煮物は、水分を多く含むので、
体重増加の原因となります。
水分で体重が増えるときは、
煮物や蒸し料理よりは、
炒め物や揚げ物料理にするというのも、
ひとつの方法です。
⑥食べる量が多い
特に体格のいい人は、
食べる量も多くなりがちだと思います。
水分はそれほど摂っていなくても、
食べる量が多ければ、それだけ体重増加につながります。
また 何か特別なイベントがあったときなど、
食べ過ぎて体重が増えるということがあります。
特に、大皿料理やバイキング形式などでは、
どれくらい食べたか分からなくなります。
食べ過ぎて、体重が増えた時は、
その次の食事を控えめに食べるなどの工夫が必要です。
⑦自宅で体重を全くはからない
自宅で体重をはかっていますか?
体重をはかることによって、どれくらい増えたかが分かります。
増えすぎている時は、少し飲む量を調整したり、
水分の少ない調理法を選んだりできますね。
また、汗が出る真夏の体重管理には、
体重をはかりながら、水分補給をしないと、
脱水になってしまう可能性もあります。
ドライウェイトからどれくらい増えているかの計算が難しい時には、
体重と増えの一覧表を作って体重計の前に貼っておくと、
1目で体重増加が分かります。
まとめ
透析間の体重が増えすぎる原因は主に7つあります。
①飲み物の量が多い
②氷の食べ過ぎ
③塩分の摂り過ぎ
④外食や中食(お惣菜や弁当)が多い
⑤水分量の多い食品や、水分量の多い調理法の食事
⑥食べる量が多い
⑦自宅で体重を全くはからない
体重が増えすぎる人は、この中のどれかに心当たりがあるはずです。
毎回、毎回、除水量が多いと、心臓に負担がかかり、あまり予後がよくないようです。
特に4時間透析では、限界があります。
どんなに体重が増えても引けるから大丈夫と過信せずに、
まずは、自分の体重の増加量を意識しましょう。
自分が増えてもいい範囲の体重増加の限度は、
自分のドライウェイトの5~6%と覚えておきましょう。