透析患者の不整脈はよくあることのようです。
脈が速くなったり、遅くなったり、脈が飛んだり・・・
そんな症状がでたら、不安になりますよね。
不整脈にはたくさんの種類があり、危険な不整脈とそうでない不整脈に大別できる
リスクの高い不整脈としては、次のようなものがある
・不整脈が起こると意識が遠のくもの(極端に脈が遅くなっているか早くなっている可能性)
・脈が遅くなり、息切れを感じるもの(心不全を起こしている可能性)
・心房細動(珍しい不整脈ではないが、脳梗塞に繋がり得る)
≫https://medley.life/diseases/54cfc31f6ef458a0020bd3e2/
不整脈とは?
一口に不整脈といっても、脈が速くなるものから遅くなるもの、
脈飛びなど、いろいろな症状があります。
不整脈とは? | 脈が一定でなくなる状態 |
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正常な脈拍数は? | 1分間に50~100回 |
不整脈の種類 | 徐脈:脈拍が1分間に50回以下 頻脈:脈拍が1分間に100回以上 期外収縮:脈が飛ぶこと |
不整脈の原因 | ・加齢 ・自律神経の乱れ ・ストレスの蓄積 |
不整脈の種類と考えられる病名
考えられる病名 | 症状 | |
徐脈 | ・洞不全症候群 ・房室ブロック |
・数秒以上脈が途切れるような状態になると、めまいなどの症状 ・症状が重いケースでは意識がなくなり、倒れてしまう ・脈が遅い状態が続くと体を動かすたびに息切れが生じる |
頻脈 | ・心房細動 ・発作性上室性頻拍 ・心室頻拍 ・心室細動 |
・動悸 ・脈が速くなりすぎると吐き気や冷や汗、意識が遠くなるなどの症状も見られる |
期外収縮 |
・上室性期外収縮 ・心室性期外収縮 |
・胸部不快感 ・数十秒程度で収まる胸の痛み |
脈が異常に速くなる心房細動
心房細動とは?
心房細動とは? | 心房細動は心臓の中でも心房という部位で異常な電気信号が起こることが原因で生じる不整脈です。 |
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原因 | 心房細動は、心臓の左心房にある「肺静脈」という血管付近から電気信号が無秩序に生じることで起こります。 心房全体が小刻みに震えて痙攣した状態になると、心拍数が1分間に100~150回以上にもなることがあり、心臓が速く不規則に動きます。 |
症状 | 心房細動が起こると、普段より脈が速かったり、速い脈と遅い脈が不規則に繰り返されたりします。 また、「どきどきする」「胸が苦しい」「階段や坂を上るのがきつい」「息切れしやすい」「めまいがする」といった自覚症状があらわれることもあります。 |
どんな人に起こりやすい? | ・加齢に伴って起こりやすい ・男性に多い ・高血圧、糖尿病、メタボリックシンドローム、慢性腎臓病などの生活習慣病を持つ人におこりやすい |
生活上の注意 | 酒の飲み過ぎ、睡眠不足、過労、ストレスなどを避けることです。 |
心房細動の種類
一過性心房細動 | 何らかの原因で心房細動が生じても原因を除去すると心房細動にならない |
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発作性心房細動 | 自然に止まって反復する |
持続性心房細動 | 電気ショックあるいは抗不整脈薬で元の洞調律にもどる |
永続性心房細動 | 電気ショックや抗不整脈薬で洞調律にもどらない |
透析患者の心房細動
心房細動が起こると、心臓の中に血栓ができやすくなり、それが脳の血管に飛んで、
脳梗塞を起こしやすくなってしまいます。
通常は、血液を固まりにくくする薬が処方されるようですが、
透析患者では、血液サラサラの薬処方は難しいようです。
透析患者においては健常人で得られるようなワルファリン投与による脳梗塞の予防
効果は期待できず,出血合併症のリスクが有意に高くなるようです。
ワルファリンが塞栓症リスクを低下させず出血リスクを上昇する機序の考察
1:透析中に回路凝固予防目的にヘパリンが投与される
2:ワルファリンが血管石灰化(→calciphylaxis)を助長する(血管の石灰化を阻害するmatrix G1a蛋白, Gas-6はビタミンKを必要とするが、透析患者はビタミンK不足状態にあり更にそこにワルファリンが入ると助長してしまう)
3:尿毒症はP450を介してワルファリン代謝と干渉することで(CYP450をdownregulationする)、ワルファリンの適切な治療域を設定することが難しくなる
≫透析患者の心房細動に対する抗凝固療法
まとめ
私は、ある日突然突然、胸がドキドキして、脈が150と異常に速くなる発作が起きました。
その時は30分ほどで収まりましたが、その後も、何度か発作を繰り返しました。
ホルター心電図検査の結果、心房細動の疑いと診断されました。
突然脈が速くなり、また突然正常になる症状を心房細動ということですが、発作時の心電図がとれていないので、確定はできないようです。
1週間ほどで、発作は落ち着きましたが、念のため大学病院を受診しました。
心電図、レントゲン、心エコーなどの検査をして、不整脈専門の医師に診てもらったところ、心機能に異常はなく、心房細動と確定は出来ないので、このまま様子を見て大丈夫という診断でした。
心臓の検査は、透析施設でも定期的に受けてはいますが、不整脈専門の医師の診断を受けることが出来て安心しました。
不整脈が出て、不安な思いをされている方は、一度専門医を受診すると、安心できるかもしれません。