”アルミニウムの鍋は認知症リスクがある”と聞いたことがありますか?
私も、以前から気にはなっていたのですが、アルミ鍋を使い続けていました。
アルミ鍋は、軽くて使いやすく、値段も手頃だからです。
でも、今回改めてアルミニウムのことを調べてみると、
やはり、透析患者にとってはリスクが高いように感じました。
アルミを摂取した場合、健康な人は腎臓から排出されますが、
透析患者は、体内に取り込んだアルミを排出することができないため、
体の中にたまってきます。
なので、出来るだけアルミニウムをとらないにこしたことはありません。
透析患者にとって、アルミ鍋は安全なのか?
どんな食品にアルミニウムが含まれているのか?を
調べてみました。
目次
透析脳症(アルミニウム脳症)
透析脳症(アルミニウム脳症)という言葉をご存じでしょうか?
1972年に、透析患者の多くに認知症症状が発症しました。
これは、透析液に使用される水道水や、透析患者が服用する薬にアルミニウムが含まれていたためです。(40年ほど前までは、リン吸着剤にアルミゲルという水酸化アルミニウムを服用していました。)
これ以降、アルミニウムが脳神経へ与える毒性が懸念されるようになり、アルツハイマー型認知症を引き起こすものとして、世間に広まりました。
アルミニウムが、神経毒性を示すことは、間違いないと言われています。
透析患者がアルミニウム脳症を発症した原因
・昔は透析液に水道水が使われた時代があり、水道水はアルミニウムを含むので、アルミニウムが血液中に入ってしまい、血液中のアルミニウムの濃度が上昇。
・リン吸着剤として、アルミゲル(水酸化アルミニウム)を服用していた。
アルミニウム脳症の症状
アルミニウムが脳に蓄積した場合の症状としては、
・言語障害
・異常行動
・運動障害
・認識及び精神障害
厚生労働省が製薬会社に出した「医薬品を使う上での注意事項」の中で、アルミニウム含有製剤を、透析患者には使用してはならないとの記載があります。
アルミニウムの摂取経路
アルミニウムが体内に入り込む経路は、アルミ鍋だけに留まらず、海藻や魚介類、野菜や、食品添加物、飲料水や、アルミ缶などもそうです。人間の体の中にも、数十ミリグラムのアルミニウムは存在しています。
アルミニウムはどうやって体の中に入る?
体内にアルミニウムが入り込む量を高い順に並べると、
食べ物、加熱処理を施すアルミ製の調理器具、医薬品となります。
・食品から(ベーキングパウダーを含む菓子やパン類)
・アルミニウムの鍋で加熱調理したものから
・医薬品(胃薬など)から
・アルミ缶に入った飲料
・アルミ箔を使った加熱調理
・水道水から
食品に含まれるアルミニウム
アルミニウムは、天然にも土壌、水、空気中のちりなどに広くに存在します。土壌などから吸収されたアルミニウムが野菜、穀類、魚介類などに微量含まれているほか、膨張剤、色止め剤(ミョウバン)、品質安定剤などの食品添加物にも含まれています。
膨脹剤(ベーキングパウダーなど)
・一部の菓子パン(メロンパンなど)、
・焼菓子(スポンジケーキなど)、
・揚げ菓子(ドーナツなど)、
・蒸し菓子(小麦饅頭など、蒸しパン)
※最近は、アルミを含まないアルミフリーのベーキングパウダーがあります。
手作りの場合は選択できますが、市販の菓子やパンにはアルミが含まれている確率が高いです。
その他、漬物の色止め剤、形状安定剤(煮崩れ等の防止)、品質安定剤、着色料などに
アルミニウムが含まれます。
菓子パンや、ケーキ類、添加物たっぷりの加工食品などはあまり食べないほうがいいかもしれません。
≫厚労省アルミニウムに関する情報
アルミニウムの毒性は?
アルミニウムを大量に摂取すると様々な障害が出ることが動物実験で確認されています。
・腎臓や膀胱への影響
・握力の低下
・中枢神経障害
・骨軟化症
アルミニウムは、人体にも悪影響をおよぼすことが分かっています。
・アルミニウムが脊髄に沈着すれば「筋萎縮性側索硬化症」
・中脳の神経細胞に沈着すれば「パーキンソン病」
・大脳の記憶中枢に沈着すれば「アルツハイマー型認知症」「アルミニウム脳症」
・骨に沈着すれば、「骨軟化症」
などを発症するおそれがあります。
アルミニウム鍋はアルミが溶け出す?
ほとんどの研究では、アルミニウム調理器具での調理は安全であると提案されていますが、特に慢性腎臓病患者において、血中アルミニウム濃度の異常を引き起こす可能性があると警告する研究もあります。
一般の人にとって、アルミニウムへの経口曝露は通常は有害ではありません。一方で、透析を受けている人々はアルミニウムの蓄積とアルミニウムの毒性の影響を受けやすくなっています。
鍋焼きうどんのアルミ容器からアルミが溶けだすかの実験では、
わずかながら、アルミが溶け出していました。
≫鍋焼きうどんのアルミ容器からアルミは溶けるのか検証
アルミニウム摂取と認知症との関係は、はっきりとは分かっていません。
健康な人にとっては、摂りすぎたアルミは、腎臓から排出されるので、
アルミ鍋は問題なく使えるということです。
でも、透析患者は、健康な人よりも慎重になったほうがいいかもしれません。
ヨーロッパでは、アルミ製の調理器具の使用制限をしている国もあるほどです。
アルミ鍋を使う際の注意点
アルミ鍋を安全に使うためには、アルミが食品に浸出しないように注意することです。
主な注意点は、コーティングしている鍋の表面を傷つけないこと、酸性食品の調理は避けることです。
ーアルミ鍋を安全に使うために守ることー
①空の鍋を高温で予熱することは避ける
代わりに、表面を潤滑して保護するために、加熱する前に少量の油を加える
②可能であれば強火ではなく弱火または中火で使用する
③レモン、トマト、酢などの酸性の強い食品をアルミニウムで調理しない
④調理器具の表面に傷や損傷を与える可能性がある金属製の器具は使用しない
⑤研磨剤などで、ゴシゴシ洗って鍋の表面を傷つけない
⑥古くて傷んだ鍋は交換する(穴あき、腐食、傷に注意)
では、どんな鍋がいいのかというと、ステンレスかホーローがいいみたいです。
私もつい最近ホーローの鍋に買い換えました。
ステンレスは、長年使っていると、焦げ付きが気になるようですが、
ホーロー鍋は、汚れが落ちやすく、こびり付きにくいということです。
アルミニウムを摂取しないために気を付けたいこと
・アルミ鍋の使用を避ける
・ホイル焼きなどアルミ箔を使って料理をしない(特にアルミ+酸味のあるものは避ける)
・ベーキングパウダーを使った菓子類やパンを食べない
・どの食品にアルミニウムが多く含まれるのか知る
・アルミ缶の飲み物を避ける
・アルミニウムを使った医薬品を避ける
まとめ
健康な人は、アルミニウムを多少摂取しても腎臓で排出されます。
でも、透析患者の場合は腎機能が働かないので、体にたまり続けてしまうようです。
腎臓が機能しない場合、食事やアルミの調理器具から摂取したアルミニウムが体内に蓄積し、様々な悪影響をを引き起こす可能性は否定できません。
体に悪いかもしれないものは、避けるようにしたほうがいいかと思います。
最後にご挨拶してから、だいぶ時間が経ってしまいました。
本屋です。
sakiさん、明けましておめでとうございます。
遅ればせながらの連絡になってしまいますが、我々夫婦はとくに大きな問題も無く2023年を過ごすことができました。
これも家族や透析施設のスタッフさんなど、周りで支えてくれているかたがたのおかげです。
そして、もちろん、その中にはsakiさんも含まれています。
いつも有用な情報を提供していただいて、何か不安になったときやわからなくなったときはいつも参照させていただいています。
そういう皆さんからの手助けの力に感謝しつつ、新年の朝を迎えています。
ありがとうございます。
お互い健康第一で2024年も過ごしましょう!
それでは、また。
本屋さま
明けましておめでどうございます。
コメントに気付くのが遅れて、お返事遅くなり申し訳ありません。
ご夫婦とも、お変りなくお元気そうでなによりです。
今年は、年明け早々大変なことが続きました。
透析患者は、災害にあうと、とてもたいへんな状況におかれますね。これ以上大きな災害が起きないことを祈りたいですね。
私のブログが少しでも役に立ってもらえるなら、嬉しい限りです。
ご夫婦とも体に気を付けて、穏やかに楽しくお過ごしください。