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イギリスの研究:透析患者はマイクロ・ナノプラスチック暴露量が多い

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マイクロナノプラスチック問題をご存じですか?
プラスチック製品は、身の回りにあふれ日常的に使用しています。
透析に使用される医療材料の殆どもプラスチックでできています。
そのプラスチックが、細かい粒子となったものがマイクロ・ナノプラスチックと呼ばれ、
人の体内に入り体の組織に蓄積されることで、健康に悪影響を与えると言われています。
透析患者は、プラスチックに直接血液が触れるので、日常的にマイクロナノプラスチックに暴露していることになります。
また、透析に大量に使われる水の中にもマイクロナノプラスチックが含まれています。
透析患者のCRP(炎症反応)が高めなのも、透析材料のプラスチックに血液が触れるからだという説もあります。

研究:透析患者はMNP(マイクロナノプラスチック)汚染のリスクが高い

透析患者が暴露するMNP(マイクロナノプラスチック)の研究(イギリス)

 MNP汚染による人体への毒性リスク

今人類は、マイクロプラスチックに関連する毒性と健康影響が懸念されています。
しかし、透析患者の場合、浸透の主な潜在的経路は透析治療中であり、水がダイアライザーを通過して患者の血液と接触するか、直接血液中に入ります。
透析患者は尿をほとんどまたは最小限しか排出しないため、MNPを排泄する能力が低く、これらの潜在的に有害な化合物が蓄積するリスクが潜在的に高くなります
したがって、透析液がMNPとその添加剤に汚染されている場合、これらの汚染物質は血液中に運ばれ、透析患者の人体に直接入ります
血液は液体組織であり、循環器系で重要な役割を果たしています。酸素と栄養素は血流を通じて細胞に到達します。したがって、透析治療中に血液がMNPに汚染された場合、体全体が細胞レベルで潜在的に汚染されることになります。
MNPは人体に入ると、貪食、ミクロピノサイトーシス、クラスリン介在性エンドサイトーシス、およびキャビティ介在性エンドサイトーシスによって細胞に取り込まれます。細胞の大きさ、表面積、電荷、および化学的性質によって、吸収されるMNPの数が決定されます。
≫血液透析水中のマイクロプラスチックとナノプラスチック

 

水道水に含まれるMNP(マイクロナノプラスチック)

注目すべき新たな脅威:血液透析水中のマイクロプラスチックとナノプラスチック

血液透析患者は1週間あたり約300~600 Lの飲料水を使用しており、これがMNPに汚染されている可能性があるという事実です。
文献レビュー、ロンドンの病院での現地調査、患者のMNP摂取量の推定が行われました。
結果から、血液透析におけるMNPによる患者の汚染の潜在的なリスクポイントが示されました。また、MNPのろ過効率が99 %の場合、患者の腎臓に浸透するマイクロプラスチックの量は0.0021~3768粒子/週であると推定されました。
この評価では、血液透析患者はMNP汚染のリスクが高いと結論付けられています。
≫血液透析水中のマイクロプラスチックとナノプラスチック

 

日本の水道水に含まれるMNPの数は?

首都圏を対象とした水道水中のマイクロプラスチックの汚染調査(2019年)によると、東京都から神奈川県までの首都圏5か所で採取された水道水からは、1リットルにつき最多12.8 個、平均4.1 個のマイクロプラスチックの混入が確認されています。
≫マルチピュアジャパン

 

透析材料に含まれるMNP(マイクロナノプラスチック)

透析に使われるダイアライザーやチューブには、プラスチックだけでなく、耐久性を上げたり、柔軟性を持たせる為の、様々な添加物が使用されています。
その添加物も、血液を介して体内に取り込まれていることになります。

透析膜の材料組成には、通常、基本的なセルロースまたは合成ポリマーが含まれ、現在では合成膜が市場を独占しています。使用される合成ポリマーには、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリメチルメタクリレート、ポリエステルポリマーアロイ、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリアミド (PAM)、ポリエチレンコビニルアルコールなどがあります。次に、基本ポリマーは、通常、アセテート基、ポリビニルピロリジンをPSおよび PES 膜に可塑剤とともに追加することによって変更されます。使用される可塑剤の量と組み合わせ、および滅菌方法は製造業者によって異なります。合成ポリマーはセルロース膜に比べて、溶質除去能力の高さ、孔径の広さ、透水性の高さ、ろ過能力の高さなど、物理化学的利点を有する。これらの繊維は頑丈なプラスチックケースに封入されている。ヘッダーとケースは、特にビスフェノールや高分子量フタル酸エステルなどの潜在的に毒性のある可塑剤を排除するように設計されている点は特筆に値する 。

≫血液透析水中のマイクロプラスチックとナノプラスチック

世界中で使用されている透析器の大部分はプラスチックポリマー材料で作られており、滅菌技術、特に放射線を使用する技術によってプラスチックポリマーと可塑剤が変化する可能性があるため、透析器は MNP の発生源となる可能性があります。

 

血液透析によるMP(マイクロプラスチック)への曝露調査

<結論>
• 透析患者は男女ともに、透析を受けていない患者に比べて MP​​の露出度が高かった。
• 透析を受けていない女性のMP値は、透析を受けていない男性よりも高かった。
≫血液透析によるマイクロプラスチックへの曝露:女性と男性の違い

 

MNP(マイクロナノプラスチック)が体内に蓄積されると?

マイクロプラスチックが体内に蓄積されることで起こるリスク

炎症反応、酸化ストレス、細胞損傷を引き起こす可能性がある
◆脳の神経細胞に蓄積されると、認知症発症リスク
◆血管内に蓄積されると、MNPがプラークとなり脳卒中や心臓発作発症リスク
◆MNPは腸内にダメージを与える

MNPの研究は、まだ始まったばかりで、分からないことも多いようですけど、動物実験では明らかに体に悪影響を与えることが、証明されています。

 

透析患者は健常者以上にプラスチック製品を避けたほうがいい

MNP(マイクロナノプラスチック)は、空気中や水、空気の中、食べ物の中にも含まれています。一般的に、人は週にクレジットカード1枚分のプラスチックを体内に取り込んでいるといわれています。
プラスチックを摂りこむ量は、少ないにこしたことはありません。

マイクロプラスチックはどこから体内に入る?

ペットボトルからの飲料 年間ほぼ 100,000 個の粒子を摂取
プラスチック製の電気ケトルでお湯を沸かす 最大3,000万個のマイクロプラスチックが放出される
プラスチック製の食品容器を電子レンジで加熱 数十億個のナノプラスチックが放出される
場合によっては、容器1平方センチメートル当たり20億個以上のナノプラスチックと400万個以上のマイクロプラスチックが放出される可能性がある。
科学ニュース
ティーバック 電子顕微鏡で確認したところ、抽出温度(95℃)においてティーバッグ1袋で約116億個のマイクロプラスチック、さらに約31億個のナノプラスチックがお湯の中に放出された
テフロン加工のプライパン テフロン加工のフライパンに傷がつくと「230万個のプラスチック粒子」が料理に放出される
紙コップ 紙コップでホットコーヒーを1杯飲むと2万5000個のマイクロプラスチックを摂取することになる
プラスチックのまな板 ポリプロピレン製まな板からは年間49.5gのプラスチック粒子が、ポリエチレン製のまな板からは年間7.4~50.7gのプラスチック粒子が発生している

 

マイクロプラスチックのリスクを避ける方法

・ペットボトルの飲料を飲まない
・プラスチックの電気ケトルを使わない
・プラ容器を電子レンジで温めない
・ティーバックや紙コップを使わない
・まな板は木製のものを使う

・テフロン加工のプライパンを使用しない

 

まとめ

透析患者は、健常者よりもMNP暴露のリスクが高いようです。
その理由は、透析に使用される水がMNPを含むこと、ダイヤライザーや回路など透析材料そのものがプラスチックで出来ており、血液が直接プラスチックに触れることがあげられます。
腎臓からのMNPの排出も期待できないので、体内にたまり続けることになります。
なので、健常者以上にプラスチック粒子を体内に取り込まないように気を付けるべきだと思います。
そのためには、プラスチック汚染に目を向け、どのような経路でMNPが体内に入り込むのか、どのようなことに気を付けるべきかの知識をつけましょう。

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