イラン危機で、石油が入らなくなり、ナフサも不足して、透析に必要なダイアライザーや血液回路などの医療用材料が入手困難になり、透析が出来なくなるかもと言われています。
2026年3月下旬に、技師さんに聞いた所、まだ回路やダイアライザーの在庫はあるし、不足するかもという話は、メーカーからもきていないということでした。
けど、状況は刻一刻と変化しているようです。

イラン危機と透析関連ニュース

透析34万人の命綱、樹脂が届かない
<2026/3/27>LOGISTICS TODAY

ホルムズ海峡の封鎖から4週間。エチレン減産の影響が、最も時間的猶予のない現場に迫っている。人工透析だ。国内で透析治療を受けている患者は33万7414人(2024年末、日本透析医学会統計調査)。週3回、1回4時間の治療を止めれば数日で生命に関わる。その治療に不可欠なダイアライザー(人工腎臓)と血液回路は、すべて石油化学由来の樹脂でできている。(編集長・赤澤裕介)

33万7414人が週3回治療を受ければ、年間で消費されるダイアライザーだけで5000万本を超える。血液回路やシリンジを合わせると、透析医療が消費する樹脂製品は膨大な量になる。素材はポリスルホン、PVC、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートと多岐にわたるが、すべてナフサ由来だ。ダイアライザーの膜が無事でも、血液回路の塩ビチューブが手に入らなければ治療はできない。1つでも欠ければ透析は止まる。

≫https://www.logi-today.com/929572

 

 

国会答弁(2026/3/30)

政府:透析材料がただちに供給が滞ることはない
実際:8月には供給が滞る

政府の言うただちにということは、2~3ケ月のことをいうらしい。 想像力が欠けている政府には、その後のことは予想できないらしい

 

ナフサ不足で医療機器が出荷困難の可能性、透析・手術用の品目 4━8月にかけて=関係者
<ロイター 2026/3/27>

[東京 27日 ロイター] – 中東情勢の悪化を受けて石油派生品ナフサの供給不足がこのまま深刻化した場合、緊急性の高い医療機器が品目によって​は4月半ばから8月ごろにかけて不足に陥る可能性があることが分‌かった。高市早苗首相もこうした事態を把握しているとみられ、今後の政府対応が焦点となる。
経済産業省と資源エネルギー庁の幹部は26日夕、首相官邸で高市氏と​面会し、現状と今後の方針について説明した。事情を知る​関係者によると、面会の中では医療機器の調達見通し⁠についても協議があったという。
具体的には、人工透析に使うチューブな​どの「透析回路」に関し、国内シェア5割を占める企業から聞き取った結​果として、タイやベトナム工場へのナフサの供給不足により「早いものでは8月ごろから国内への出荷が困難」になる可能性を指摘。手術中に使用する廃液容器​についても、国内シェア7割を占める企業のタイ工場へのナフサ供給が4月​半ばまでで終了する見込みとした。日本透析医学会の統計調査報告書によると、‌国内⁠に透析患者は約34万人(2024年末時点)いる。
こうした説明を受け、高市氏が幹部らにどのような指示を出したかは分かっていない。協議内容について木原稔官房長官は27日午後の記者会見で、「政府部内の検討状況、説明内容​に関わることでコ​メントは控え⁠る」とする一方、「状況を注視しつつあらゆる可能性を排除することなく、我が国のエネルギー安定供​給の確保に万全を期して対応していく」と述べた。
政府​はあらゆ⁠るプラスチックやゴム、塗料製品などの原料となるナフサについて、製造拠点であるタイやベトナムなどで「不足が生じ始めている」と認識。⁠調達​先の多角化を模索しているものの、関係​者は中東情勢の沈静化が見通せない中、関係省庁間と連携しつつ対応方針を整理して​いる段階だと説明している。

政府の対応は?

透析・手術用の品目、「安定供給図る体制立ち上げた」 高市氏がSNSに投稿[東京 29日 ロイター] –

高市早苗首相は29日夕、中東情勢の緊迫化を受けた石油や関連製品の国内供給について、政府の対応状況を自身のソーシャルメディア(SNS)で説明した。石​油派生品のナフサを原料とする人工透析用チューブなどの「透析回路」‌や、手術用の「廃液容器」について、安定供給を図る体制を立ち上げたとし、「ただちに供給が滞ることはない」と冷静な対応を呼びかけた。

価格​の高騰がみられるナフサについては、国産品の確保を進める一方、輸入品は中東依存を減らすため他国からの調達に切り替えるよう取り組んでいるとした。ただ、アジアで生産し、日本に​輸入している個別の製品については、「各国における原油不足により、長期的な供給​に懸念」が生じていると認めた。

「透析回路」用の医療用プラスチック、手術中に使用する「廃‌液容⁠器」に加え、食品包装材の原材料を例示し、「特に医療関係については、厚生労働省と経済産業省が連携して、サプライチェーンに関する情報を集約し、国内の医療活動が停滞しないよう、異なるサプライチェーン間での石油製品の融通支援など、安​定供給を図る体制を立​ち上げた」と説明。「⁠ただちに供給が滞ることはないですから、落ち着いた対応をお願い申し上げます」とも付言した。具体的にどの程度の期間、安定​供給を維持できる見通しかなど詳細には触れなかった。
ロイター​は27日、政府が「⁠透析回路」の国内シェア5割を占める企業から聞き取った結果、タイやベトナム工場へのナフサの供給不足により「早いものでは8月ごろから国内への出荷が困難」になる可能⁠性を把握​していると報道。
手術用の「廃液容器」についても、​国内シェア7割を占める企業のタイ工場へのナフサ供給が4月半ばまでで終了する見込みだとし、高市氏と関係​省庁幹部が今後の対応について協議していると報じていた
政府は、3月31日になってから、やっと医療物資確保への対策本部を立ち上げました。
医療物資を扱う企業などにヒアリングをしたうえで石油関連の調達元に働きかけるなど個別の対応を進めているということです。

今頃、対策本部を立ち上げて、情報収集しようと、
”ないものはない”のではないでしょうか?

 

ダイアライザー

ダイアライザーはどこで作っている?

ダイアライザーは、ニプロ、旭化成メディカル、東レ、日機装が製造している。

国内最大手のニプロ
秋田県大館市の工場を主力拠点とし、月産1000万本規模の生産能力を持つ。
ダイアライザーの国内シェア1位、世界シェア2位。

旭化成メディカル
1974年からポリスルホン膜を手がけ、国内外で供給している。

いずれも国内に製造拠点を持つが、原料の樹脂ペレットの調達は石油化学メーカーに全面的に依存している。

医療機器メーカーは通常、原料在庫を1-3か月分確保しているとされる。ただし補充が滞れば、早い品目では数週間、遅くとも2-3か月で枯渇に向かう。

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ダイアライザー、再利用の可能性

ダイアライザーを再利用している国は? 主に発展途上国を中心にいくつかの国で今も行われています。

タイ: タイの透析クリニックでは、自己負担額を軽減するためにダイアライザーを最大24回再利用している事例があります。

ベトナム: 経済的な事情により、ダイアライザーが破損するまで再利用している施設がある

ダイアライザー再利用の目的は? 主な目的はコスト削減であり、多くの場合、血液透析治療の費用を大幅に削減することである。
安全性への懸念は? 再利用(リユース)は感染症のリスクや、長期的な治療効果(尿素やβ2-ミクログロブリンの除去率低下)の観点から議論があり、安全性と経済性のどちらを重視するかによって国ごとに対応が分かれます。

ダイアライザーの入手が困難など緊急時の場合は、再利用することも行われるかもしれませんね。

 

血液回路

血液回路は、タイやベトナムからの輸入のようです。
コロナ禍のときも、ベトナム製の血液回路が入手困難になりました。当時は中国製の代替品を使いました。
もし、中国での生産が可能ならば、中国製を使用できるかもしれません。

 

透析が受けられないとどういう経過をたどる?

最悪、透析が受けられなくなった場合は、どういう経過をたどり、どれくらいで死にいたるのでしょうか?

死に至るまでに現れる症状は

透析中止後3日ほどで、息苦しさ、辛さ、不快感
体の中には、水分がたまる
心臓や肺には水が溜まって心不全、肺水腫を起こし、呼吸困難に陥る
尿毒素がたまって意識混乱などの意識障害も起こす。

<死に至るまでに現れる症状>
①全身のむくみ・重篤な呼吸困難
②食欲不振・嘔気・嘔吐・下痢
③貧血・出血
④しびれ・知覚障害・全身倦怠感
⑤皮膚のかゆみ
⑥麻痺・意識障害

どれくらいで亡くなるの?

福生病院事件では、中止決定から7日間後に亡くなっているようです。
海外の事例報告では、透析中止後の平均死亡日は透析中止後の7.8日後
79.1%の患者は、透析中止後10日以内に死亡しているようです。
≫https://zizineta.com/stop-dialysis/

 

もし、透析が出来ない状況になったら、各透析施設によって、対応は異なってくると思います。最期まで責任もって看取ってくれる病院もあれば、通院施設のみのクリニックだと自宅待機になって自宅で亡くなることになるのでしょうか?一人暮らしの人は、一人で亡くなることになるのでしょうか?
いずれにしても、出来るだけ苦しまずに死ねることが願いです。

 

追記

4月6日のニュースでは、透析の血液回路メーカーは、”パニックにならないように出荷制限をかけている このまま、手に入らない状況が続けば在庫は1ケ月半しかない”というようなことを言っていました。

対して政府は

透析(医療)に使うプラスチック製品などの確保の状況について報告し、対応を協議(←今ココ)

↓ これじゃ、間に合わないことは確実だし 何より”ないものはない”メーカーの見解だと、
4月は何とか透析ができる
5月の半ばくらいには、血液回路などが不足する透析施設がでてくるかも?
ということですね。

17:52分当たり↓
≫https://www.youtube.com/watch?v=VU3to8oh3ss&t=8s

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